塩田千春"魂がふるえる"展
昨日、六本木の森美術館で開催されていた塩田千春”魂がふるえる”の展示に行ってきた。
最終日とあって朝10時頃行ったにも関わらず、螺旋階段にぐるっと人が並んでいた。
余談だが、前売りチケットを持っている人と当日チケットの人の列は別で、当然前売りチケットを持っている人の方が早く入れる。
前売りチケットを持っていなかったので、当日の列に並んでいたのだが、
並んでいる間に、ネットで見つけたasoviewというサイトでその場ですぐに使える前売りチケットが購入(クレジット決済)できたので、時間がだいぶ短縮できた。
しかも入場料17%offの1800→1500円だったのでかなりお得に入ることができたので、次回もぜひ覚えておきたい。
んで本題。
よく広告とかで写真が出ていたので、だいたいこういう感じかと思ってはいたけど、実際いってみると想像以上に迫力があった。
最初の部屋で目に飛び込んできたのは真っ赤な糸が無数にはりめぐらされた空間。
中央らへんには糸のからまった船もある。
なんだか蜘蛛の巣のような編み方で、壁にはタッカーのようなもので止められている。
糸の色が反射して周りの人も少し赤く見える。
次の部屋が過去の作品の写真や当時の思いなどが綴られていた。
ここが”生と死”をテーマに、若いころの葛藤やアーティストとしての人間像を作り出そうともがいている感が個人的にはよかった。
絶食後に裸で土の上を転がっている写真だったり、2001年横浜トリエンナーレでの皮膚からの記憶という題で7Mの汚れた洋服に水をかけ続けるというインスタレーションだったりが印象的だった。
他にも泥をかぶり続ける映像なども展示されていた。
そのあと太い柱に糸が巻き付けられていたり、ビンテージのガラクタに糸を巻き付けたり、肉体のパーツモチーフをテーマにしたインスタレーションの部屋があったが、正直そこはなんだか個人的に響かなかった。
かなりキツイ言い方かもしれないけど、毒素が抜けていたというか、心に突き刺さるテーマのようなものを感じることができなかった。
手法が先走ってしまっているというか、、
次の部屋の黒い糸がグランドピアノや椅子に張り巡らされた《静けさの中で》という作品がとてもよかった。
幼少期の隣の家の火事がインスピレーション源となっているらしいが、生きていたグランドピアノを燃やすことで一度殺し、そこに糸で音を奏でていたころの命の軌跡のようなものを描いているようにも見えたし、燃え尽きた後の静けさの空間みたいなものも感じられた。
ひとつ気になったのは糸の素材。
色は赤は毛細血管だったり人との繋がり(血縁)を表していたり、黒は壮大に広がる宇宙だったりをイメージしているのはわかるが、
素材として赤は毛糸のような糸が使われていたのに対し、黒は真っ黒でなく少しチャコールの合皮のような糸が使われていた。
これには意図があるのかな、、?
そのあとの2体の洋服が糸の空間に閉じ込められているものや、窓がたくさん重なっている作品が続き、
最後にスーツケースが太い赤い糸で天井からぶら下げられている部屋だった。
大量のスーツケースの中で何個か中にモーターが入っていて不思議な揺らめきを作っていた。
少しハリーポッターのようなファンタジーの世界にも感じられた。
あと舞台美術なども手掛けているらしく、あの広い舞台の上をを自分の世界で埋め尽くすのは本当にすごいなと思った。
結構辛口の評価な部分も出てしまったが、
全体をひっくるめては魂が揺さぶられる展示も多数あり
観に行ってよかったなと思った。
文章がへたくそなのでうまく伝わるかわからないけど、、
今日の考察はここまで。
corset
今日はコルセットの話。
昔からコルセットに惹かれることが多かった。
かといってそれを着用したゴシックやロリータファッションにはまったく興味がなく、単純にコルセットのディティールや機能面に興味がある。
加えて服装史上、女性にとってそれをつけたり外すことによって自由を意味したり、流行によって左右されていたりということがおもしろい。
本来女性の身体を補正するというのが目的だから内側に着るもの、人に見せる必要のないものである。
だが、その形を作るためにボーン(昔は鯨の髭)を入れたり、後ろにハトメが打たれ、そこにリボンを通してきつく結ぶことにより調整ができたりというディティールがなぜか機能的であるが装飾的にも見える。
着用する際に、絞めすぎたりして肋骨が変形したりとか、女性の自由さを奪い鳥かごに閉じ込める象徴のような、コルセット自体に対してマイナスなイメージを持たれることもあり、好きではない人もいると思う。
でもディティールはまた違う次元の話のように感じる。
ファスナーが無い時代に限られた資材で考えられて生み出されたりと、論理的な要因が詰まっている美しいディティールに見える。
だからそのあとに付随して持たれるイメージはまた別の話なのかな?って。
近年では本来の意味は持たないけど服のデザインの一部に取り込まれてるものも多くある。
それはそれで装飾の一部として現代的に解釈されていていいように思う。
どうでもいいけどコルセットって調べるとやたらとゴシックな写真ばっかり出てくる。
どうしてこんなにもそういうイメージが付いたのか。
フェティシズムのアイテムだと思われてるからなのか。
うーーん、、コルセットが好きというとそういう世界感が好きだと思われるのは本意ではない、、
今日の考察はここまで。
MIYAKE ISSEY vintage
今日はMIYAKE ISSEYから。
NYのヴィンテージを扱っているthe new world order NYというお店のページで見つけたんだけど、そこのスタイリング写真が本当にかっこいい。
そしてその中でも昔のMIYAKE IISEYのビッグシルエットが今の気分にぴったりくる。
かっこよすぎる。。
たっぷり布を使ったゆったりとしたシルエット。
いろいろな着方が出来て、性別も体形も関係なく着用できる。
布の分量もだけどポケットやラペルの大きさなどディティールのバランスが絶妙すぎて、、
あとこんなに布をたっぷり使ってるのに全体的にすごく軽やかに見えるんだよね。
踊れそうな感じ。
そしてやっぱり民族っぽい印象が出てくる。
最近のコレクションのプリーツとかもそうだけど、この自由で軽やかな感じがmiyake isseyらしい気がする。
androgynosな今の時代にもこういうシルエットが出てこないかなぁ
今日の考察はここまで。
20191022_MM6 white&padding
今日はMM6の2019-20AWから。
この前表参道の前を散歩していたら、真っ白な店内が目に飛び込んできた。
どうやらMM6のインスタレーションらしい。
そこにはすべて白で統一された枕のようなふっくらした服や小物がならんでいて、なんともあたたかそうな異世界だった。
(fashion-pressより)
洋服で白は汚れが気になり避けがちだが、不思議とMM6のモードな白はそれでも欲しいと思わせる魅力がある。
2019AWのルックは潔くてすべてがかわいい。
MM6お得意のビッグシルエットにパディングを加えることで、服に着られているようなメルヘンさがある。
あとふっくらあたたかい羽毛布団に包まれている感も。笑
小物のバッグの大きさがいろいろで洋服とのバランスをとっているところもいい。
ハイゲージのビッグシルエットのVネックセーターはここでも出てきている。
ハイネックのインナーと合わせるのがかわいいな。
今日の考察はここまで。
20191018_PRADAのraw elegance
今日はPRADAの中から好きなルックを選んで。
古いコレクションでも、強い印象を受けたものって今でも好きなものが多いなぁ。
2013AWの素肌にセーターにオフショルダー、このバランスがすごく好きで。
ウエストマークした女性らしいシルエットや色の配色、柄の使い方がうまいんだよなぁ。
なんか高級な猫が似合う感じ。笑
こっちは2018resort。
普段は女性なんだけど、ときたま少女性が顔を覗かせるとこが
ミウッチャの好きなところ。
でもただかわいいだけじゃなくfutureを感じさせる足元のバランスがさすが。
コレクションによっては全然合わないこともあるけれど、はまるとズドンとくることが多い。
他にも好きなルックはあるけれど、今日の考察はここまで。
20191017_HYKE 2020ss
今日はHYKE 2020ssから。
HYKEはgreenの頃から好きなブランド。
今回も安定して美しいシルエット。
フリンジ×パイソンがHYKEらしい。
ポケットだったり前立てだったり部分的なディティールをビッグにしていて
それとバランスを取るために丈はかなりロング、袖もボリューミィになっている。
ベルトの位置が絶妙。
adidasコラボ。
毎回売り切れ必至なのが納得できる。
こんなにスポーティとモードを上手く合わせられて、日常的に着たいと思えるデザインに昇華できるのはさすが。
服装史や古着などの深い知識や独自のバランス感覚という太い芯を持っているから、デザインのブレも少ないし、流行も自分のものさしで測りなおして新しいものを提案できる。
ここでもチルデンセーター。
HYKEの手にかかるとこんなにかわいいアイテムになるのかと。
シアー素材にプリーツ、インナーにボーダーのワンピース。
この組み合わせもかわいい。
HYKEのコレクションを見ているとシンプルながらハッとさせられるディティールが多く、デザインの深みを感じられるんだなぁ。
今日の考察はここまで。
20191015_malamute2020ss
今日はmalamute2020ssから。
テーマは「The Restless Waves」
ニットを得意とするブランドだけあって編地がとてもかわいい。
最近ちょこちょこ見るスクールセーターのようなラインの入ったVネック。
アシンメトリーな柄の配置や透けてるラインの入ったルーズな袖感で他と差がついていて良い。
パッと目を引く美しいグリーンは、ジョルジュ・デ・キリコの絵画”愛の歌”にある〈完璧性〉を意味するボールからきているらしい。
このルックの全体的な色やシルエットのバランスが好き。
インナーに着てるシアーなニットはほんとかわいいんだけど
ひっかけが怖いアイテム、、(togaで経験済 笑)
やっぱりニットは他と大きく差をつけられるからブランドの色を出しやすいなと感じた。
今日他のブランドのコレクションとかを見ていて
ふと”深さ”っていう基準が頭に浮かんだ。
テーマに対してどこまで深く掘り下げているのか。
深く掘り下げたからいいデザインとは限らないけど、強い芯みたいなものにはなるのかもしれない。
これは服だけじゃなくて人間でも同じことだけど。
うーん
たまに顕著にこれが表れて見えるような気がするんだな
今日の考察はここまで。